8月の全国高校総体で100メートル、200メートルの2冠に輝いた築館(宮城)鵜沢飛羽(とわ、2年)が、少年男子A100メートルでまさかの予選敗退となった。

スタートのタイミングが合わず、大きく出遅れ。自己ベスト10秒45の大本命が、予選4組6位の11秒08。「あ~やらかした。セットからの時間が長かったので、立つと思ってかってに緩めてしまいました」と、ゴール後は頭を抱えて座り込んだ。「サニブラウンさんみたい」。世界陸上ドーハ大会の100メートル準決勝で大きく出遅れた“先輩”の名を挙げて唇をかんだ。

予選全5組の上位4人と、それ以外のタイム上位4人の計24人が準決勝に進出したが、0秒03差届かなかった。一時は係員から準決勝に残った“吉報”を聞き「セーフ。本当に良かった~」と涙を流して喜んだが、正式記録確定後に再びどん底に突き落とされた。

昨年の福井国体でも少年B100メートル決勝でフライング失格。2年連続でスタートに泣いた。自身のツイッターでは「怪我を治して来シーズンまた暴れたいです」。満身創痍(そうい)の体を復活させ、さらなる飛躍を誓った。【鎌田直秀】