第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が、来年1月2、3日に開催される。北海道の高校出身者は4大学と関東学生連合に計7人がエントリー。10月の出雲駅伝で国学院大の1区を務め区間5位の快走で学生3大駅伝初優勝に貢献した藤木宏太(2年=北海道栄)は自身2度目の箱根路で区間賞、そして過去最高総合3位を目指す。

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4年連続13度目出場の国学院大の次期エース候補、藤木宏太(2年=北海道栄)が新春のビッグイベントでブレークの予感を漂わせている。「箱根に向けて仕上がっている。チームを勢いづけるためには区間賞は必須」。1日の甲佐10マイルでは同大歴代1位の46分26秒で学生トップタイムを記録。学生3大駅伝のラストを飾る箱根路に向けて調整は順調だ。

チームスローガン「歴史を変える挑戦」を担う覚悟がある。10月の出雲駅伝では1区5位で初優勝に貢献したが「50点。ラスト勝負では負けている」。過去は振り返らず、こう続けた。「出雲は全く関係ない。今の自分の立場、ポジションでは勝ちきらないといけない」。1月に箱根デビューした19歳は2度目のひのき舞台を見据える。

長距離ランナーとしての原点は上富良野西小6年のときの校内マラソンにある。それまで無敗だったが、1学年下の選手に敗れ「泣くほど悔しかった」。負けず嫌いな性格で中学に上がると陸上部に加入した。進学した北海道栄では3年間、都大路を走ることはできなかったが、山中慎コーチ(51=現監督)のもと厳しい雪上練習などで力をつけた。同コーチが指導していた国学院大で飛躍する下地を築いた。

大学進学後は「耐えるだけじゃなく、自分で組み立てて狙ったレースに向けて取り組む」(藤木)練習メニューが自身のスタイルに合致。量から質へ転換された練習で「自主性を持ち、余裕も生まれた」。充実したトレーニングを積み、今季はトラックでもロードでも自己記録を更新した。

総合3位を狙う上で、藤木の活躍は欠かせない。競り勝つ終盤の強さが持ち味も10月出雲、11月全日本では不発に終わった。「来年の箱根でラストスパートの強さを見せたい」。新春の箱根路。区間最高の走りで証明する。【浅水友輝】

◆藤木宏太(ふじき・こうた)2000年(平12)3月2日、上富良野町生まれ。上富良野西小1年から3年まで柔道、4年から6年までは野球を経験。北海道栄では2、3年で総合2位になった全道高校駅伝で区間2位。自己記録は5000メートル14分6秒66、1万メートル28分46秒41、ハーフマラソン1時間2分17秒。好物はチョコレート。172センチ、51キロ。家族は両親と弟、妹。