気分転換はリポート!? 陸上女子で今季1500メートルと3000メートルの日本記録を樹立した田中希実(20=豊田自動織機TC)が1日、快進撃を続けた夏の裏話を披露した。

同志社大3年であることから、この日は京都市役所で行われた「京都市スポーツ大賞表彰式」に出席。8月23日のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)女子1500メートルで4分5秒27をマークし、日本記録を14年ぶりに更新した20歳は「これからも文武両道を大事にして、取り組んでいきたい」と誓った。

新型コロナウイルスの影響で、春から夏にかけてはオンライン授業が続いた。7月の「ホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会」では3000メートルで8分41秒35をマーク。日本記録を18年ぶりに更新し、北海道で快進撃が始まった。だが、遠征でも怠らないのが勉学。在籍する同志社大スポーツ健康科学部は同時期にテストがあったという。

「全てリポートになっていたおかげで、自分のペースで取り組めました。ホクレンの時期はほとんど(両立の)ストレスはなく、逆にリポートが気分転換になっていました」

春先は慣れないオンライン授業がストレスになったというが、しっかりと克服。日本新記録を樹立し、周囲の注目度が上がっても、田中の姿勢は変わらない。

「ご褒美は特になくて…。大会をひとつ終えて、いったん気を抜いて日常に戻るっていうこと自体が、ご褒美になっています」

8月23日のセイコーGGP後も、25日から岐阜・御嶽山での合宿を開始。8月末に関西へ戻ったが、9月7日から再び御嶽山へと向かう予定だ。2つの日本記録に満足することなく、自らに成長を求めていく。【松本航】