“浪速の腹筋女王”に明るさが戻ってきた。女子1万メートルで松田瑞生(25=ダイハツ)が最後まで優勝争いにからみ、鍋島(日本郵政)から約3秒差の2位でゴール。

東京オリンピック(五輪)マラソン代表の前田(天満屋)、一山(ワコール)に先着を果たした。レース後には、大阪薫英女学院高の1学年後輩にあたる前田と抱擁して健闘をたたえ合うシーンも。スタンドに関係者を見つけると、「1番取れんかったわぁ」。屈託のない表情で話しかけた。

1月の大阪国際女子マラソンで当時日本歴代6位の2時間21分47秒で優勝し、いったんは五輪切符をつかみかけた。しかし3月の名古屋ウィメンズマラソンで一山が、その記録をさらに上回る好タイムで優勝。最後に代表の座から滑り落ち、補欠として出席した4日後の代表内定会見では失意の涙を流していた。

その悔しさを乗り越え、松田は再び走りだしている。来夏の東京五輪には、この日走った1万メートルでの出場を目指す方針も固まった。17年ロンドン世界選手権(19位)にも出場した種目で、再び大舞台を目指す。【奥岡幹浩】