日本陸連などは26日、五輪や世界選手権の選考会を兼ねていた福岡国際マラソンについて、今年12月5日の第75回大会を最後に終了すると発表した。

47年に始まった大会で、過去2度の世界記録が誕生するなどマラソン界の発展に貢献してきたが、近年は有力選手が海外レースも含め、分散するように。注目度が下がってきた結果、スポンサー集めも難しくなり、継続は苦しくなった。

日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「この大会がなくなってしまうと私自身の歴史もなくなってしまうような気がして、すごく寂しい」とコメントした。

びわ湖毎日に続き、エリートのみで争われる伝統のマラソンが、歴史に幕を下ろす。その苦境の要因は出場選手の顔触れによって、スポンサーを左右する注目度が変わること。海外勢ら有力なランナーを招聘(しょうへい)するには、1人あたり500万~1000万円ほどかかる。近年は警備費も膨らみ、市民ランナーからの参加料がなく、スポンサーに依存して、運営費を賄うのは厳しかった。大型市民マラソン化も検討されたが、コース幅などの理由から大型化は断念せざるをえなかった。

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