陸上女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)は愛娘の叱咤(しった)を力に、五輪(オリンピック)の道を切り開く。布勢スプリントを翌日に控えた5日、会場の鳥取・ヤマタスポーツパーク陸上競技場で最終調整した。

1日の木南道孝記念では12秒87で自身の日本記録を0秒09塗り替えたが、娘の果緒ちゃん(6)は厳しかった。「12(秒)84だったんじゃないの? なんで12(秒)87なの? そんなことある」。日本新記録で褒められるのではなく、東京五輪の参加標準記録12秒84に0秒03届かなかったことを「怒られた」という。家族の存在は競技の大きな原動力。明日6日のレースは果緒ちゃんもスタンドに応援に来る予定で、母は「娘が見ている前で12秒84で走れればいい」と語った。

木南道孝記念からは中4日のレースになる。練習量は抑えて、疲労の回復を優先にしてきた。好調は維持できている様子で「調子よく走れたらいいなと思います。硬くなりすぎず、いつも通りの走りをして、あわよくば7台が出れば」と意気込んだ。