山形中央の「投てきコンビ」が、東北の表彰台に立つ。全国高校総体の“前哨戦”となる東北高校総体の陸上競技が19日、岩手・北上総合運動公園陸上競技場で開幕する。男子砲丸投げの東海林慎也(2年)と女子ハンマー投げの後藤雅奈(3年)は、5月下旬の山形県総体で、大会新記録での優勝に輝いた。山形王者の実力を発揮し、全国への挑戦権を勝ち取る。

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女子ハンマー投げの後藤は、少しでも優勝候補の“絶対女王”に近づく。東北総体では「50メートルという目標にすると届かないと思うので、53メートルを狙う練習をして50メートルを投げたい」と闘志を燃やした。昨年10月の東北高校新人は準優勝。大会後は基礎のターン練習と筋力トレーニングで土台作りに励んだ。ターン数を以前の3回転から4回転に増やした結果、回転の加速が増した。5月の県総体では48メートル96で大会記録、県高校記録と県記録を塗り替えた。

東北総体には青森県優勝の弘前実・村上来花(3年)も出場する。昨年の東北高校新人では高校女子初の60メートル台を記録して優勝し、表彰台では隣に並んだ。後藤は村上について「(回転の)速さが違っていて、オーラもあった」。高校1年冬、山形での東北合宿で初めて会ってから親交が続く。過去には村上に投てきの動画を送信してもらい、自分と比較してフォームの研究したこともあった。「東北総体は少しでも自分らしい投げをして、来花に近づけるような記録を出したい」。高校最後の舞台。必ず全国切符をつかむ。

◆後藤雅奈(ごとう・もな)2003年(平15)12月30日生まれ、山形県出身。山形中央入学から本格的に陸上競技を始める。2年時に東北高校新人で準優勝。自己ベストは48メートル96。164センチ。家族は両親、兄、妹、祖父母。