陸上の日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)は明日24日に開幕する。

東京オリンピック(五輪)の代表枠を懸けた最終決戦。男子100メートルに出場するケンブリッジ飛鳥(28=ナイキ)は23日、オンライン会見で「明日は思い切ってやるだけ。不安はありますけど、ずっと不安でいても仕方ない。気持ちを切り替えて勝ちに行きたい」と抱負を述べた。

まだ参加標準記録10秒05を突破しておらず、世界ランキングでの出場も絶望的。まず五輪の切符を手にするには10秒05をクリアしないと、3位以内に入っても代表権は得られない。ピークは25日の決勝に合わせるつもりだが、24日の予選、準決勝でもタイムを出しにいく構え。「やっぱり記録も狙っていかないといけない。予選、準決勝もできるだけ自分の形を作りつつタイムを狙っていきたい」と語った。

昨季は10秒03を出したが、今季は左太もも裏の違和感に苦しんでおり、最高が10秒28。春は本来の走りをできなかったが、「それもだいぶよくなって、走りの内容も手応えも練習でつかんでいる」。大一番で、うっぷんを晴らす快足を思い描く。リオデジャネイロ五輪の代表最終選考会を兼ねていた16年日本選手権を制したのが、ケンブリッジだった。「大事なところで結果を出せたのは、今回もやれるぞという前向きな気持ちをつくってくれる。そういう経験は生きている」。苦しい中でも悲観はなかった。

男子100メートルの代表は10秒05の参加標準記録を切っている選手の中から、日本選手権の順位によって決まる。現時点で参加標準記録を切っているのは、山県亮太、サニブラウン・ハキーム、桐生祥秀、小池祐貴、多田修平の5人。