陸上の日本選手権も残り2日間となった。世界選手権(7月、米オレゴン州)の代表内定選手も続々と現れ、大会の熱気も増してきた。折り返しとなる3日目の見どころを紹介する。

 

◇男子200メートル予選

100メートルで代表を内定させたサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)は、腰痛の故障明けを考慮して200メートルはエントリーしなかった。代表争いは混戦となる見通しだ。

5月のグランプリシリーズ静岡国際を20秒34(向かい風0・4メートル)で制した飯塚翔太(ミズノ)は、31歳となるシーズンでも元気な姿を見せている。参加標準記録20秒24。東京オリンピック(五輪)は予選敗退に終わるなど、昨年度は「悔しい1年だった」と振り返るだけに、今季に懸ける思いは強い。

小池祐貴(住友電工)は、10日の100メートル決勝で10秒19の4位と、今大会での世界選手権代表入りを逃した。昨年2位のデーデー・ブルーノ(セイコー)は、100メートルでまさかの準決勝敗退。200メートルでのリベンジを期す。

 

◇女子やり投げ決勝

東京五輪で決勝進出を果たした日本記録(66メートル00)保持者の北口榛花(JAL)が、優勝候補の大本命となる。

5月のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)では63メートル93をマーク。参加標準記録(64メートル00)に肉薄した。大舞台で突破なるか。

 

◇男子110メートル障害予選、準決勝

東京五輪代表の泉谷駿介(住友電工)が登場する。

3月に行われた日本室内選手権60メートル障害で、左足首を捻挫。4月の織田記念(広島)は予選を走ったものの決勝を棄権、5月のGGPは欠場と回復に専念した。体調が万全なら、優勝候補の最右翼に挙がる。

元日本記録保持者で東京五輪代表の高山峻野(ゼンリン)、昨年の同大会予選で13秒28の学生記録をマークした村竹ラシッド(順大)らが泉谷の対抗馬となる。

 

◇男子3000メートル障害決勝

東京五輪7位入賞の三浦龍司(順大)に注目が集まる。

4月の金栗記念(熊本)では1500メートルに出場し、“本職外”ながら3分36秒59の日本歴代2位となる記録をマークするなど、今季も存在感は抜群。すでに参加標準記録を突破済み。2連覇と代表内定は有力とみられる。