昨夏の東京パラリンピック女子マラソン(視覚障がい)金メダルの道下美里(45=三井住友海上)が、世界記録更新となる1時間23分34秒でゴールしながら失格となった。ガイドランナーが先にゴールラインを通過したため。

ガイドランナーを務めた志田淳によれば、ゴール約100メートル手前の係員からの指示をうまく把握できず、「我々もどっちに行けばいいのか分からない状況だった。ゴールテープも急に張り出され、それを切らないといけないのかなとか、目移りしてしまった部分があった」などと説明。「ぜんぶ伴走者のせいです。私がミスリードしてしまったのがすべて」と責任を負った。道下は「こういうこともあります」と笑顔でかばった。

通常はコースの外側に寄ってゴールすることが多いが、この日は内側へとテープが張られ、「あれっと思った」と志田。運営側からの説明は事前になかったそうで、「抗議はしなかったけれど、改善の申し入れはしました」と話した。

早野忠昭レースディレクターは「原因究明中で、いろいろ調べたい。それが運営上にあるなら改善しないといけないし、どちらのサイドに原因があったとしても、再発がないようしていきたい」と述べた。