全国高校駅伝(都大路)で93、94年以来2度目の2連覇を狙う女子の仙台育英が、1時間8分41秒で31連覇を達成した。1区から5区まで全員区間賞。高校1年から主力の杉森心音主将(3年)が、最長の1区6キロを19分9秒で走り、2位に1分50秒先着して勢いづけた。4月に就任した千葉裕司監督(35)率いる男子の仙台育英は、2時間3分54秒で8連覇。12月25日に京都で開催される全国高校駅伝にアベック出場する。

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女子の仙台育英が、都大路2連覇への挑戦権を得た。1年生アンカー長岡みさきが、2位常盤木学園に7分7秒差をつけ、31連覇ポーズでゴールテープを切った。ゴールで待ち受けた杉森は「頑張った。頑張った」と大役を務めた後輩をたたえ、「全国高校駅伝の切符を(部員)21人と釜石先生で勝ち取ることができ、大きなアクシデントなく走れたのは本当に良かったです」と胸をなで下ろした。

昨年の全国高校駅伝で歴代最多5度目の優勝を飾った。杉森、渡辺来愛(くれあ)、須郷柚菜(ともに2年)の3人が優勝メンバーとして残るが、今回の予選出場は1区区間賞の杉森だけ。2000メートル障害で日本高校記録を持つ武田莉奈(3年)、全国高校総体800メートル優勝の壁谷衿奈(2年)、1年生コンビの長岡、細川あおいと「新戦力」4人も区間賞を獲得。さらにケニア人留学生デイシー・ジェロップ(1年)も控え、選手層は全国屈指の厚さを誇る。

全国では17年1位、18年3位、19年1位、20年3位、21年1位と5大会連続で表彰台をキープも、2連覇は近いようで遠い。釜石慶太監督(35)は「1、3、1、3、1(位)で来ているチームとは遜色がない」と手応えを示しつつ、「杉森に次ぐ準エースが残り2カ月で出てくるかが優勝の鍵」と受け止める。

高校1年から主力の杉森は静かに闘志を燃やす。「誰よりも2連覇を逃した悔しさは強いので『2連覇は甘くないんだぞ』とみんなに伝え、自分が走りでチームを引っ張りたい気持ちが一番です」。三度目の正直を果たし、令和初のV2チームになる。【山田愛斗】

■男子は8連覇 昨年は全国3位

昨年全国3位だった男子の仙台育英が、総合力で8連覇を成し遂げた。アンカー後村光星(3年)が、2位利府に6分11秒差をつける2時間3分54秒でゴール。千葉監督はレース前日に「今年は日本人の大エースが不在なので、エース力は劣るかもしれないが、総合力で去年を上回ろう」と話したという。昨年のタイムに8秒及ばずも「ゴールが3分台で、7人がよく走ってくれた」と評価した。