第99回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)で、初の総合優勝を目指す創価大が20日、壮行会後にリモート形式の共同取材会を行った。2年時に休学期間があるため、大学5年目で箱根路に臨む嶋津雄大(4年)は「強さも速さも備えた歴代最強メンバーがそろっている。自分もチームととも成長してきた」と優勝へ自信をにじませた。

嶋津は2年時の20年大会で最終10区で区間新記録の力走で脚光を浴びた。3年時の21年大会は4区で2番手から首位の東海大を逆転してトップに立ち、区間2位の走りで初の往路優勝の流れをつくった。22年大会は再び4区で6人抜きで区間賞。躍進するチームの象徴的な存在になった。

失明の可能性もある「網膜色素変性症」で視力が弱い。そのハンディを乗り越えて力走する姿に、全国からファンレターが届いた。「2年の箱根で日本全国の皆さんに存在を知ってもらい、目のことも発信されたこともあって、生活が変わった」と本人は振り返る。

5年目の今季は「1年残ったことの意味を確かめる」をテーマに練習に取り組んできた。チームに残っていいのか、箱根でしっかりと結果が残せるか不安もあったが、今は「全力で自分らしく走る。信条の“心で走る”という走りができたらと思う」と吹っ切れた。

希望区間は2つ。2年時で区間新を樹立した10区と、2年連続で走った4区。「10区は区間記録を更新されたので、もう1度塗り替えしたい。4区で自分の限界にトライしたいという思いもある」。一方で「どの区間でも自分の走りができる自信はある」とも。

卒業後はGMOインターネットグループで実業団ランナーとして陸上を続ける。「マラソンにチャレンジしたい。(五輪最終選考レースの)MGCを目指して、将来はマラソンを走って、夢でもある本を出したい」と嶋津。学生生活の集大成となる最後の箱根路で、新たな長距離ランナー人生の扉を開く。【首藤正徳】

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