“山の妖精”は平地でも強かった。

新潟の山本唯翔(城西大3年)がアンカー区間の7区(13.0キロ)で9人抜きを達成した。37分42秒で駆け抜け、区間4位タイと好走。同区間には今年1月の箱根駅伝を出走した学生ランナーが集結する中、存在感を発揮した。

32位でタスキを受けると、9キロ地点までで5人抜き。残り4キロでさらに4人を抜き去り、23位でフィニッシュした。

山本は新潟・十日町市生まれ。今年の箱根路では、山登りの5区で1時間10分4秒をマークし、区間新記録を樹立した。レース後は「区間賞を取る自信はありました」と柔らかい声で振り返っていた。

“妖精”という愛称は、山道を走る山本のシルエットから名付けられた。箱根駅伝後、城西大の櫛部静二監督は「白い帽子をかぶり、木々の中をすいすい走る山本の姿が『妖精みたいだね』となった」と明かし、「キャラ的にも山本はそういうキャラ。本人も神なんて恐れ多いという謙虚なタイプなので、『じゃあ妖精でいいんじゃないか』」と命名秘話を打ち明けていた。

“山の妖精”が安芸路で奮闘し、平地でも強さを示した。

◆主な箱根ランナーの7区成績

<区間1位>37分26秒 <山崎諒介(佐賀/神奈川大)

<区間4位タイ>37分42秒 山本唯翔(新潟/城西大)

<区間6位>37分43秒 野村優作(和歌山/順大)

<区間7位>37分50秒 嶋津雄大(東京/創価大)

<区間9位>38分02秒 近藤幸太郎(愛知/青学大)