聴覚障害者によるオープン参加のデフ100メートルが行われ、17年デフリンピックメダリストの山田真樹(25=東京陸協)が11秒06(追い風0・1メートル)で優勝した。

レースには、3人が出場。山田がスタートで1歩リードし、坂田翔悟と競り合いながらも逃げ切って優勝した。

チャンピオンに輝いたが、山田は「11秒を切ることが最低ラインの目標だった」と悔いる。

4月中旬から左足に違和感があり、万全な状態ではなかった。それでも、前ももの筋肉が張って階段を歩くだけでも軽い痛みが走るほどの痛みは、大分和らいできている。

「満足ではないけど、走りのパフォーマンスは最低ラインには戻ったかなと感じています」

そんな山田が狙うのは25年東京デフリンピック。同大会は、耳が聞こえない選手が集い、競い合う大会。昨年のデフリンピック・ブラジル大会も出場が決まっていたが、日本人選手団の中に新型コロナウイルスの感染者が確認されて辞退する事態となった。

「1年過ぎてもまだモヤモヤしている気持ちはありますが、いつまでもネチネチ考えていくというのは違う。25年の開催が決まってるので、切り替えて、皆さんに応援したいと思ってもらえるような選手になりたい」。

笑顔がきらめく山田は、メダルを獲得するために、デフ陸上を広めるために、走り続ける。