8月の世界選手権(ブダペスト)代表の北口榛花(25=JAL)が3投目で65メートル09をマークし、優勝を飾った。

昨年7月の世界選手権を制したケルシー・リー・バーバー(オーストラリア)に2メートル55差をつけた。金メダリストを撃破し、世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)で通算3勝目をつかんだ。

2投目で60メートル87を記録すると、3投目で65メートルの大台に乗せた。2投目で62メートル54をマークしていたバーバーを逆転し、首位へ浮上。4投目以降は60メートルを下回ったが、昨夏の世界選手権銅メダリストの実力を発揮した。

今季はシーズン初戦となった4月29日の織田記念で64メートル50を記録し、早々に今夏の世界選手権代表に内定。5月6日の木南記念でも64メートル43をマークし、好スタートを切った。

ただ、その後は思うように記録が伸びない。5月21日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)は61メートル34で4位。大雨の中で行われた6月2日の日本選手権では59メートル92にとどまった。

2位となった同選手権後には、取材エリアで号泣。「悔しいです。ずっと冷静に試合を展開できなかった。1つの結果として受け止めるしかない。次の試合に向けて乗り越えたい」と声を振り絞っていた。

あれから1週間。約1年後に迫った五輪開催地のパリでビッグスローを放ってみせた。1つ1つの経験を糧とし、2大会連続の世界選手権メダル獲得へ、まい進していく。