大好きな後輩へ-。全国高校総体(インターハイ)陸上競技は8月2~6日、北海道・札幌厚別公園球技場で行われる。中大・佐藤美里(2年=常盤木学園)は同校3年の21年、女子200メートルで宮城県勢初優勝を果たし、歓喜のうれし涙を流した。今大会も母校の選手が短距離、リレーなどにエントリー。2年前に全国入賞を経験した先輩たちがエールを送った。

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一瞬で明るくなる「美里スマイル」を時折、見せていた佐藤が、大会に臨む上で大切なことを伝えた。

「その舞台に立つまでには、たくさんの方々から応援をいただいている。それをすべて力にする気持ちでレースに挑んでほしい」

あの時も期待を背負って駆け抜けた。「絶対に大きな花を咲かせる」と意気込んだ同校3年時。21年6月、U-20日本選手権女子200メートルで優勝し、「インターハイも1位を取りたい」と欲が出てきた。指導者からは「日本一」という言葉をかけてもらい、常に目標を意識できた。

21年夏、福井での同200メートル決勝。重圧もある中で後半に加速し、目標を達成した瞬間が忘れられない。

「今まで感じたことがない達成感…。と言ったら終わってしまいますけど、今までやって良かったと感じました。多くの方に応援していただき、おめでとうと言ってもらえて、幸せでした。やってきたことを出せて最高の瞬間でした」

リレーで活躍したいという思いから名門へ。入学当初は環境の変化もあり、「苦しい日が続いた」が、着実にレベルアップ。全国の頂に立てたのは、仲間の存在があったからだ。「全員で強くなれたと思います。私は400メートルリレーと1600メートルリレーがなかったら、日本一という結果を残せていないです」。同年の400メートルリレーは7位、1600メートルリレーで3位。互いの健闘をたたえ、喜んだ思い出も宝物だ。

今大会に臨む3年生は、佐藤の2学年後輩。一緒に走ったメンバーもいる。

「県大会、東北大会を戦ってきた今までの自分を出せれば、自己ベストの更新もできると思います。独特な雰囲気は全力で楽しむことが一番です。後輩のみんなも力を持っていると思うので、自分らしさを最大限に発揮して最高の結果を残してほしいです!」

感謝の思いを忘れず、全力を出し切ることを期待している。【相沢孔志】

 

▽立命大・日下あやな(2年=常盤木学園3年時は女子400メートル障害で4位、同1600メートルリレーで3位)「場所も違って全国の舞台になると、(周りの)選手に圧倒されてしまう部分があると思います。そこは気にせず、自分だけに集中して自分のレースをしてきてほしいです!」

 

▽福島大・郷右近美優(2年=常盤木学園3年時は女子400メートルリレーで7位)「常盤木という自分たちのチームに誇りを持ち、堂々と走ってほしいです。自分たちが全国大会を経験してきた中で、『楽しんでやる』と話して臨んできたのが、インターハイでした。一番は笑顔で楽しんでほしいと思います。応援しています!」