24年パリオリンピック(五輪)マラソン代表をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われ、男子は小山直城(27=ホンダ)が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁(25=九電工)が2時間9分06秒で2位に入り、上位2人に与えられる五輪代表に内定した。

21年東京五輪6位入賞の大迫傑(32=ナイキ)は2位と5秒差の3位となり、五輪切符は獲得ならず。4位はスタートから35キロ過ぎまで先頭でレースを引っ張った川内優輝(36=AD損保)が入った。

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男子は川内が最初から逃げるとは、ちょっと予想しなかったね。最後まで粘ったのはあっぱれと思ったけど、35キロまで逃がしたのはペースメーカーがいないMGCの良いところであり、悪い所だよね。タイムを狙わないと世界と戦えないんだから、もうちょっと積極的に2番手集団はいってほしかったな。1人じゃいききれないけど、みんながそういう気持ちになっていかないと。今日の展開では物足りない部分もあるね。

1、2位の2人は伸びしろもある。小山は1万メートルで27分台を出しているし、いまは(2時間)7分台だけど、まだまだいける。赤崎はマラソンがめちゃくちゃ面白くなったでしょ。今まで9分台が2回だから、本当に自信になるよ。

2人ともパリまで必ず記録を出さないとだね。今の実績で五輪に出ても厳しい。世界の強豪が集うレースで思い切って勝負してほしい。記録が自信を生むんだ。もう代表は決まったんだから、思い切ってね。失敗してもいい。挑戦できる権利を得た、それがMGCの意義の1つです。女子の鈴木選手も男子の2人と同じ。24分台では勝負できない。海外で走ってほしいね。

一方で自己記録では、男子は23番、58番の選手だった。4、5分台の選手がしっかりと合わせられなかったのは残念だったな。実績のある選手がもう1回実績をつけてほしかった。鈴木、大迫、山下らが残り10キロでぐわっといくみたいな、格の違いを見せつけてほしかった。そうすると五輪でも戦えるなと思えたけど、1人もいなかった。

世界新記録(2時間0分35秒)が出た先日のシカゴマラソンを現地で見たけど、このままではどんどん世界との差は離れていってしまう。女子も同じ。一山が五輪経験者でいるのは大きいけど、今日で決まった4人はやることいっぱいだね。(84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪代表)