<陸上:兵庫リレーカーニバル兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇21日◇神戸ユニバー記念競技場

 女子走り幅跳び日本記録(6メートル86)保持者の井村久美子(32)が、今春から夫の俊雄さんと開設したイムラアスリートアカデミーの所属となり、新たなスタートを切った。

 今大会の井村は6メートル37で3位と敗れたにもかかわらず、「すごく楽しく走り幅跳びがやれているんです」と、以前のような思い詰めた表情はなかった。その理由が「幼稚園児や小学生との触れ合いで、自分の原点を思い出すことができた」から。90年代後半に中学新を連発し天才少女と言われた井村は、父・実氏(故人)のコーチを受けて強くなった。その指導は厳しさよりも、楽しさを優先して教えてくれたものだった。

 助走は全盛時のように序盤からスピードを上げられなくなっている。だが、踏み切りは以前に近い感覚で踏み切れるまでになってきたという。4回目には課題としていた低い跳び出しができた。「今年は世界陸上に出場するのが目標です」

 精神面も技術面も新たなスタイルで、北京五輪以来5年ぶりの代表復帰を目指す。