<ベルリン・マラソン>◇25日◇ベルリン市街コース

 男子はパトリック・マカウ(26=ケニア)が2時間3分38秒の世界新記録で2連覇を達成した。08年の同レースでハイレ・ゲブレシラシエ(38=エチオピア)が樹立した世界記録を21秒更新した。そのゲブレシラシエは35キロ過ぎに棄権した。女子はフローレンス・キプラガト(24=ケニア)が2時間19分44秒で優勝。世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ(37=英国)は2時間23分46秒で3位。車いすの部では女子の土田和歌子(サノフィ・アベンティス)が4位に入ったのが最高だった。

 高速コースのベルリンで新王者が誕生した。マカウは09年まで同大会4連覇のゲブレシラシエらとともにスタートから飛び出した。6人のペースメーカーがついて、中間点で世界記録を20秒上回る超ハイペース。「世界新を出せると思った」と言う。27キロ地点でスパートすると、ゲブレシラシエはつけず、直後に腹部を押さえて立ち止まった。独走のマカウはペースメーカーが離れた33キロを過ぎてからも世界記録ペースを維持してゴールに飛び込んだ。

 09年のロッテルダムの初マラソンで2時間6分14秒をマークした男が、ついに頂点に立った。尊敬する母国のテルガトからゲブレシラシエに移った世界記録を再びケニアに取り戻した。

 「ケニアではみんな喜んでいる。ゲブレシラシエに勝ったことを誇りに思う。新しい時代がやってきた。最後は1人だけの力でスピードを上げることができた。2時間3分を切る可能性もある」と言い切った。【渡辺修】