バスケットボール男子ワールドカップ(W杯)で27日、日本(世界ランキング36位)がフィンランド(同24位)98-88で逆転勝ちを収め、歴史的勝利を飾った。

司令塔の河村勇輝(B1横浜BC)が勝負どころで3点シュートを立て続けに成功。25得点を挙げて勝利に貢献した。

福岡第一高時代の恩師にあたる井手口孝監督は、愛弟子の活躍を会場の沖縄アリーナで観戦した。一夜明けた28日、河村の活躍について「昨日は素晴らしいのひとこと。前半は少しもたもたしたり、迷ってシュートを落としたりもしていたけれど、後半に関しては文句なし。最後のフリースローを落とした以外はね」と笑った。

22歳にして、欧州の強敵相手に堂々たるプレーを見せた。「よくよく考えればすごいこと。あの若さで、あのメンバーに入って。それだけでも感激した」。ウインターカップ連覇に貢献した教え子がさらに成長し、大舞台のコートに立つ。その勇姿を観客席から眺め、感慨に浸った。

チーム最年少にして、代表チームの顔となりつつある。高校時代も下級生のころからチームを引っ張る存在だった。「1年生の途中から、ポイントガードとして先発を任せていた。1、2年生のときは先輩の立場に気を配りながら、うまく対応していた。嫌みがないし、嫌がられない。それが彼の人としての良さであり、素晴らしさ」と評する。

真面目な性格だが、仲間同士では楽しくふざけあう。ときには井手口監督の口ぶりをまねたり、ガチャピンの顔マネを披露したことも。「この子はこんなこともやれるんだなと、楽しませてもらった」。人気者の素顔を楽しそうに明かした。【奥岡幹浩】