沖縄などで開催中のバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は2日、勝てば24年パリ五輪出場が決まる日本(世界ランキング36位)がカーボベルデ(同64位)と対戦する。

日本バスケットボール協会(JBA)はこの日、公式ユーチューブチャンネルを更新。「パリ五輪まであと1勝! 今大会2度目の大逆転劇に密着」と題し、先月31日に行われた順位決定ラウンド初戦、ベネズエラ戦の舞台裏を公開した。

一時は15点差をつけられたが、第4クオーター(Q)に比江島慎が3点シュート(3P)を連発し、86-77の大逆転勝利を収めた一戦。この試合の前も、選手たちはリラックスしていた。

前日練習では、笑顔があふれた。河村勇輝と富永啓生が“相思相愛トーク”を繰り広げる様子も。河村は「富永が朝から電話をかけてくる。寝たいのに起こされるのが嫌で(スマホの)通知がこないように設定していたら、ホテルのルームコールをかけてくる。どうしようもないヤツ」と暴露し、周囲を笑わせていた。

当日の練習では、選手間でコミュニケーションを取る姿が見られた。また、多くの選手がロッカーに引き上げる中、吉井裕鷹、井上宗一郎、河村の3人は時間一杯にシュート練習に励んでいる姿も映し出された。試合前、トム・ホーバス監督は選手を激励。「しつこいバスケをやろう。相手の年齢は高いから疲れることは絶対に忘れないで。信じていこうよ!」と円陣を組んで、試合に臨んだ。

立ち上がりからリズムに乗りたい日本だったが、フィジカルを武器にする相手にリードを許す展開。後半には馬場雄大の負傷交代や、相手の3P3連発を許すなど15点差に広げられた。絶体絶命のピンチを救ったのが、最年長の比江島だった。第4クオーターだけで3P4本を含む17得点の大暴れで、逆転勝利を収めた。

試合後のバックヤードは、お祭りムード。井上は「比江島えぐいって。えぐすぎ」、川真田紘也は「気にくわんね。まだまだですよ。あの男」と、それぞれの言葉でこの日のヒーローをねぎらった。富樫勇樹は「マコトありがとう」と感謝。「一番長く日本代表を経験して一番多くの試合を経験している彼が、この大事な場面で決めてくれて最高。もう1回準備して五輪出場を決めたい」と、興奮気味に話した。

さらに、渡辺雄太は「イエー!」と絶叫。「マコトがやってくれました。最高です。世界でもマコを止められる選手はいないとずっと言い続けてきた。みんなが見ている前で勝ちたいので死ぬ気でやる」と、連勝を誓った。

そして、最後は比江島。スタッフからの「ヒーローですね」の声掛けに対し、「そんなことない」と謙遜。勝って自力で五輪を決めましょうと呼び掛けられると、「はい!」と力強く返事し、動画は締めくくられた。

今大会でアジア勢最高位になれば、パリ五輪出場が決まる。日本は現時点でアジア勢トップ。最終戦に勝てば無条件で五輪切符を手にする。