アイスダンス転向を電撃表明した宇野昌磨さん(28)と本田真凜さん(24)が22日、都内で会見し、30年フランス・アルプス地域で行われる五輪へ向けた挑戦を発表した。宇野さんは4月に本紙インタビューに応じ、アイスダンスでの復帰について示唆。新たな競技人生への可能性を語っていた。

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数年前までは想像したこともなかった自身の姿だった。宇野さんは、アイスダンスについて「現役時代は全く考えていなかった」と振り返った。

転機となったのは、2人で出演した24年9月のアイスショー「ワンピース・オン・アイス」。スケートファン以外も数多く訪れるエンターテインメント性の高い舞台に接する中で、熱い思いが芽生えた。「やるからにはシングルスケーター2人の単なる“コラボ”で終わらせたくない。驚きを与えるには、そこが大事だと思った」。その思いが、全ての始まりだった。

24年10月に挑戦を決断して以降は、全日本選手権4連覇を誇り、北京五輪では宇野さんとともに団体銀メダル獲得に貢献した小松原美里さんらに師事。宇野さんはアイスショーのプロデュース、本田さんは化粧品ブランド立ち上げなど多忙を極める中でも、岡山や千葉のリンクで練習を積み重ねてきた。

もちろん、道のりは平坦(へいたん)ではなかった。宇野さんは本田さんより身長が約6センチ低く、男性が女性を持ち上げるリフトでは大きなハンディキャップとなる。競技関係者からは、本田さんが宇野さんの首周りを回転する技について「厳しいのではないか」との声も上がった。だが、宇野さんは「僕の強みは他の選手との意識の違い」と反復練習で少しずつ形にし、周囲の懸念を一つずつ覆していった。

ここからが本当のスタートだ。宇野さんは「今はプレッシャーの方が多い。本番だと、お互いがどんな気持ちになって、どんな力が入ってしまうのか分からないので、結構緊張する」と未知の挑戦への不安も口にしていた。それでも、強い決意がある。「2人で向き合って、できなかったことが一緒にできるようになるのが感慨深い。一番覚悟を持って取り組んでいかなければならないのは僕の方だと自覚している」。4年後、フランスで輝く姿がイメージできている。【勝部晃多】

◆本田真凜(ほんだ・まりん)2001年(平13)8月21日、京都市生まれ。12年全日本ノービス選手権B(満9~10歳)を当時の歴代最高スコアで制覇。16年世界ジュニアは初出場優勝。大阪・関大高から青森山田高へ編入。家族は両親と姉、兄太一さんと妹2人で、姉以外の4人がスケート経験者。妹で俳優の望結、紗来は芸能活動を行っている。163センチ。

◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日、名古屋市生まれ。愛知・中京大中京高から16年に中京大進学。同年4月に国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上初の4回転フリップ成功。五輪の個人は18年平昌銀、22年北京銅。世界選手権は22年から日本勢初の2連覇。157センチ。

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