日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第18回はPING契約の鈴木愛(26=セールスフォース)。

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昨年7勝で2度目の賞金女王に輝いた鈴木は、オフの米アリゾナ合宿で例年より早めに仕上げてきた。2月に渡米し約3週間。下半身を中心に鍛え、クラブも振り込んだ。帰国後のインタビューでは「例年は50%ぐらいだったけど、今年は80~90%に近いスイングの仕上がり。方向性も、求めているショットが多く出てくるようになった」と手応えを口にした。

クラブセッティングは昨年とほぼ変更ない。ただ、鈴木のクラブ担当は「スペックの変更は行っていませんが、6番アイアン(I)を使用する距離の安定度を高めるために、ハイブリッド(H)の6番(30度)をテストしています」と話す。

6Iは、鈴木のアイアンで1番大きな番手で、長いパー4の第2打や長めのパー3の第1打で使う機会が多い。これまで、鈴木が6番Iを外し、6Hを入れたことはなかったが「今年は何としても結果を出したい」(鈴木)メジャーを想定し、テストをしているという。プロ担当は「6Iでもスピンコントロールはできますが、打ち出しの角の高さはHの方が勝っています。硬いグリーンやボールが沈んだライからもしっかり浮かせて、ピン・グリーンをねらっていける確率が増えるように」と使用の意図を説明する。

東京オリンピック(五輪)は1年延びたが、出場資格を得るためには、メジャーで結果を残すことも大きな課題だ。3度目の賞金女王とともに、五輪という大目標に向かって、鈴木は新たな武器を用意している。【桝田朗】

◆鈴木愛(すずき・あい)1994年(平6)5月9日、徳島県生まれ。09年に中学生で四国女子アマチュアゴルフ選手権優勝。倉吉北高卒業後、13年プロテスト合格。14年、日本女子プロゴルフ選手権で初優勝。17年、19年に賞金女王。プロ通算16勝。155センチ、55キロ。

<鈴木愛のPING契約クラブ>

 ▼1W=G410 LST(ロフト角10・5度、シャフト=ALTA JCB RED、硬さS、長さ45・5インチ) ▼FW=G410(3W14・5度、5W17・5度、7W20・5度) ▼4H=G400(22度) ▼5H=G400(26度) ▼6H=G410(30度) ▼アイアン=i210(6I~PW) ▼ウエッジ=GLTDE2・0(50度、54度、58度) ▼パター=G Le2 ECHO