元世界ランク1位・申ジエ(33=韓国)が大得意コースで、ツアー通算25勝目を挙げた。

この日のベストスコア66をマークし、通算10アンダー。ツアー通算25勝の全美貞とのプレーオフは、4連続バーディー奪取で勝負を決める離れ業だった。

「私もミジョンさんも永久シード(ツアー30勝)を目標に頑張っている。2人とも強い思いがあって、いい勝負ができて、私が少しだけ運が良かった」。

プレーオフは18番パー5(488ヤード)で行われた。バーディー合戦で迎えた4ホール目、全が第1打をミスし「2オンできたらチャンスがある」と、残り202ヤードを5番ウッドでピン奥11メートルへ。2パットのバーディーで決着させた。

開催コースの袖ケ浦CC新袖Cは14年大会から3連覇を達成しており、今回で4勝目だ。「多分ツアーで1番小さいグリーン、コースも狭いけど私のアイアンショットに合う。安心できて“家族”のよう」という相性の良さを発揮した。

今季はコロナ禍で20年と21年を合併する変則シーズンとなった。例年なら“3勤1休ペース”で休みの週に帰国し、家族と過ごしているが、今季はコロナ禍で戻れない。昨年は2勝していたが、21年は過ごし方の違いからか「ショット、パットは悪くないのに、ゲームをうまく作れない状態」が続いたという。

永久シードを目標としたが、日本ツアー参戦時から掲げるテーマは「賞金女王」だ。獲得賞金約8005万円で賞金ランク7位に浮上。1位小祝は約1億4458万円。約6453万円も差があるが「ネバーギブアップですね」。シーズンは賞金総額3億円、優勝5400万円という次戦の超ビッグマッチ、アース・モンダミンカップを含めて22戦も残る。米ツアー、韓国ツアーも含んで節目の“世界通算60勝”となった実力者が、いよいよ本調子になってきた。