<高校総体:新体操>◇31日◇青森・マエダアリーナ

 男子個人で青森山田勢が健闘した。平野泰新(2年)が18・625(スティック9・300、リング9・325)で2位。永井直也(1年)が18・600(スティック9・350、リング9・250)で3位に入った。優勝は逃したが、地元インターハイで実力を発揮。今日1日の団体競技に弾みをつけた。

 地元のプレッシャーなど関係なかった。平野も永井もスティックはノーミス。リングで細かいミスがあり、優勝は逃した。だが平野は豊かな表現力で情感あふれる演技を展開。永井は天性の柔らかさにスピード、迫力も出した。2人とも持ち味を出し切った。

 平野は「声援が大きく、テンションが上がった。気持ちよく演技できた」と話した。団体演技のメンバーでもあり、練習のほとんどを団体の方に割かれ、個人の練習はあまりできなかった。掛け持ちで「大変だけど、団体で勝つ喜びもあるから」とフル回転だ。

 1年生の永井は初のインターハイ。「緊張したけど、観客が多くてうれしかった。自分の演技を見せつけたかったから」と大物ぶりを発揮した。4月入学時から身長が5センチも伸びた。「自分に負けるかと思ったが、そうでなかった。もっといい演技でもっと観客を沸かせたい」と意欲的だ。

 平野は愛知県半田市の半田中出身。永井は同県阿久比町の阿久比中出身。中学は異なるが、同じ半田スポーツクラブで一緒に練習した。男子新体操の名門青森山田で1年違いの先輩後輩だが、ライバルでもある。「2人とも地元のプレッシャーをはねのけ、よく頑張った」と荒川栄監督(38)はたたえた。

 個人専門の永井は今後の目標を「優勝や順位より、いい演技をすること」ときっぱり。平野は今日の団体競技に備え、すぐに練習に帰った。青森山田2年ぶりの団体優勝へ、2人が個人競技で弾みをつけた。【北村宏平】