「ありがとう」「よくやった」。スタジアムに大きな歓声が響き渡った。W杯イングランド大会1次リーグ最終戦で米国を破った日本。8強入りは逃したものの歴史的な1大会3勝目を挙げ、有終の美を飾った選手たちに惜しみない拍手が送られた。

 英西部グロスターのスタジアムの観客席は満員。日本から応援に駆け付けた人々が多く見られ、日本代表にチャンスがめぐってくるたび「ニッポン」コールと手拍子が湧き起こる。トライやキックが決まると総立ちになり、夜の冷気を吹き飛ばした。

 日の丸を振る地元ファンの姿も。南アフリカ戦の勝利以来、日本を応援している公務員ミック・ロートさん(64)は「日本は俊敏で勇敢だ。4年後の日本大会はお金をためて観戦に行くよ」と感銘を受けた様子。息子のトーマスさん(20)は「準々決勝に進む力はあった。もっと試合を見たかった」と残念がった。

 日本がリードを守り抜いたまま試合が終了すると、スタジアムの興奮は最高潮に。在英16年の会社員井上悦子さんは「日本人であることを誇らしく思う」と顔を上気させた。4大会連続で応援に訪れている東京都大田区の公務員西川恭子さん(57)は「日本は本当に強くなった。幸せです」と目を潤ませた。