スーパー小学生が躍動した。仙台・東宮城野小6年の張本智和(仙台ジュニアクラブ)が、男子シングルスで史上最年少タイとなる12歳での勝利を挙げた。25歳の鈴木誠(サボテンクラブ)に3-0のストレート勝ち。小学生が一般男子の部で勝つのは12年の出雲卓斗以来2人目だ。高校2年生以下のジュニアの部でも初めて4強入りした。

 2ゲームを奪い、10-4で迎えたマッチポイント。張本が浴びせたフォアハンドの強烈な打球が相手のラケットをはじいた。リターンが大きく外れ、勝利が決まると思わず叫んだ。「相手を攻め崩せて良かった」と笑顔がはじけた。

 社会人を圧倒した。年は一回り以上離れ、身長は9センチ高い相手。チキータと呼ばれる変則的なバックを使い揺さぶった。「回転を結構かけてました。この大会ではうまく使えてます」と狙い通り。敗れた鈴木も「バックの回転、速さが予想以上だった。次元が違いますよ」と感服するほどだった。

 1年間の成長を見せた。昨年は史上最年少で一般男子に出場したが1回戦負け。それから身長は10センチ以上伸び163センチ、体重も10キロ増えて打球に力強さが増した。この日は同時にジュニアの3試合も戦い、4試合すべてに勝利。さすがに「足に力がなくなった」と疲れた表情を見せたが、目標は「明日の一般2試合とも勝ちたい。ジュニアも優勝したい」と気合をみなぎらせた。【島根純】