高校日本一を決める「JX-ENEOS ウインターカップ2016 平成28年度第47回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」(23~29日、東京体育館)には、年代別の日本代表選手も数多く出場する。

 U-18男子は7月下旬のアジア選手権で決勝まで勝ち進み、7大会ぶりとなるU-19世界選手権への出場権を獲得した。同女子も11月のアジア選手権で準優勝し、6大会連続でU-19への切符を手に入れた。また、U-17女子は6月下旬に行われた世界選手権で9位。これらのメンバーが4年後とその先の日本のバスケ界を担うと言ってもいい。

 中でも、2020年に向けて先日発表された68人の男子日本代表強化重点選手に、3人の高校生が選ばれた。このうち2人は今大会に出場する。U-18でも活躍した杉本天昇(茨城・土浦日大3年)と、西田優大(福岡・福岡大大濠3年)だ。

土浦日大・杉本天昇(写真提供:日本バスケットボール協会)
土浦日大・杉本天昇(写真提供:日本バスケットボール協会)

 185センチの杉本はどこからでも得点が取れるスコアラー。彼を指導する土浦日大の佐藤豊コーチは、「天性の得点力に加え、この1年でディフェンス力もついてきた。あのサイズでは攻守ともに高校生のトップレベルだろう」と絶賛する。その上で、強化重点選手に選ばれたことも「よい判断をしてくれたと思う。選ばれるだけの力はある」と言い、ウインターカップでの活躍を期待する。

 189センチの西田は左利きのシューター。アウトサイドを中心に、時にはドライブで仕掛けてアシストもする。

札幌山の手・栗林未和(写真提供:日本バスケットボール協会)
札幌山の手・栗林未和(写真提供:日本バスケットボール協会)

 女子では188センチと日本人選手で今大会最長身のセンター栗林未和(北海道・札幌山の手3年)が日本代表入りに意欲を見せる。「高校に入って成長したのは得点力の部分。体が強くなったこともあるけど、シュートに向かう意欲が出てきた。相手が大きくても得点を取れるところを見せて、4年後の日本代表入りにチャレンジしたい」。

 同校の上島正光コーチが、「将来的には長岡萌映子(富士通レッドウェーブ)のようになってもらいたい」と言えば、本人も「長岡選手のようなオールラウンドな選手が理想」と認める。

 アジアや世界での対戦経験は、今後の大きな糧となる。東京五輪を目指す若者たちが一堂に介し、その才能を発揮する。ウインターカップは日本代表への登竜門。勝ち負けだけではなく、原石を見つけるのも面白い。