惜敗した東海大の木村季由監督(50)は「力いっぱいのゲームはできた。選手が成長したなと感じた」と激戦を振り返った。前半6分にFWで先制トライを奪い、同17分には絶対の自信を持つスクラムを押し切って追加点を奪った。王者相手に序盤で14点差。それでも、終わってみれば7点差で3度目の準優勝。「帝京大はすばらしい力を持ったチーム。敗れたことは現実として受け止めたい」と話した。

 昨年決勝で敗れ、今季は「打倒帝京大」を目標にしてきた。リーグ戦は最終戦で流通経大に黒星を喫したものの2連覇。準々決勝から出場した今大会は、京産大、同大に圧勝して再び帝京大に挑んだが、跳ね返された。試合前「帝京大はスキを見せると、そこを突いてくる」と話していたが、言葉通りにミスからトライを許し「スキを逃さない集中力が、帝京大の強さ」と話すしかなかった。

 98年に当時関東リーグ戦2部だった東海大の監督に就任した。散らかり放題だった合宿所の掃除から始めて、学生を人間的にも選手としても鍛えてきた。就任2年目に1部昇格を決め、5年目に大学選手権に初出場、10年目にリーグ戦初優勝すると、大学選手権でも上位の常連となった。それでも、帝京大の壁を越えることはできず、3度目の準優勝。悔しさを振り払うように「歩みを止めずに、次に向かって進みたい」と来季を見据えて話していた。