1988年ソウル五輪招致の成功と、テコンドーの2000年シドニー五輪からの実施競技採用に貢献した金雲龍・元国際オリンピック委員会(IOC)副会長が3日、ソウルで老衰のため死去した。86歳だった。韓国の聯合ニュースが報じた。

 外交官出身でソウル五輪招致活動のほか、大会の準備と対外交渉で手腕を発揮し、当時のサマランチIOC会長(故人)から評価されてIOC委員に就任した。世界テコンドー連盟会長、韓国オリンピック委員会(当時)会長を務め、IOCでは理事、副会長を歴任した。シドニー五輪開会式での南北合同入場行進を実現させるなど、アジアで最も大きな影響力を持つスポーツ役員だった。

 01年にIOC会長選に立候補して落選。04年に横領や背任の容疑で韓国の検察に逮捕され、実刑判決を受けた後、IOC委員辞任に追い込まれた。