レバンガ北海道が昨季リーグ準優勝の川崎ブレイブサンダースを95-79で下し、Bリーグではチーム最多タイの4連勝を飾った。5点ビハインドで迎えた第3クオーター(Q)に、新外国人マーク・トラソリーニ(27)、折茂武彦選手兼社長(47)らの効果的な得点で逆転。昨季MVPのニック・ファジーカス(32)ら川崎の強力攻撃陣の反撃を抑え、東地区3位をキープした。今日16日の同一カードで、5連勝をうかがう。

 試合終了のブザーと同時に折茂は立ち上がり、笑みを浮かべてベンチのメンバーとハイタッチを交わした。川崎にはNBL時代の16年に1勝を挙げたが、プレーオフで完敗。昨季はアウェーで2戦2敗。川崎のメンバーがコートに立つファイナルを、折茂はテレビ解説席からながめた。「川崎に勝つ意味は非常に大きい」。47歳が、かみしめながら、勝利の価値を語った。

 5点差で迎えた後半、チームが息を吹き返した。シーソーの続いた63-65の第3Q残り37秒、折茂が難しい体勢からのジャンプシュートを決めて同点。残り2秒でトラソリーニが来日初の3点シュートを決め、勝ち越した。第4Qは一方的に突き放し、川崎を相手に2季ぶりの白星。「全員が自分の仕事をしてくれたのが勝因」。水野宏太監督(35)が満足そうに言った。

 桜井が日本人最多の13点を決め、折茂が12点で続いた。11年前、2人は常勝トヨタ自動車から北海道にやってきた。今季開幕前、トヨタ自動車を前身に持ったA東京から伊藤大司(30)が加わり、王者の戦いが一気にチームに浸透した。

 勝利を知る新司令塔はレバンガ北海道の100種類以上に及ぶセットプレーを約3週間で頭に入れ、同時に昨季残留争いを戦った集団に「ウイニングメンタリティー(勝つ精神)」を植え付けた。「ファジーカスはすごい選手。でも体を寄せて、タフな(難しい)シュートに持ち込むことはできる」。伊藤が10分以上出場した後半、相手エースは9点にとどまった。

 4勝1敗。今日5連勝を決めれば、圧勝が条件ながら、首位に立つ可能性もある。「ビハインドの状態から追いつき、勝てたのは底力がある証拠。今日と同じゲームをして勝ちたい」と桜井。強者のバスケットボールを身につけたレバンガ北海道が、今夜も勝利を再現する。【中島洋尚】