レバンガ北海道は川崎に77-80で敗れ、Bリーグで初、2季ぶりの5連勝はならなかった。70-70で突入した延長にグレゴリー・ウィッティントン(24)のダンクシュート、多嶋朝飛(29)の3点シュートなどで昨季準優勝チームを追い詰めたが、及ばなかった。

 コートでプライドが、ぶつかり合った。多嶋と川崎の篠山竜青(29)はともに北陸高3年夏に総体優勝を実現。篠山の自宅に多嶋の家族が宿泊し、深夜まで語り合ったこともある。「お互い大学からプロになり、いろんなことを経験し、同じコートに立っている。もちろん意識はしますよ」と多嶋。延長残り29秒、左サイドから3点シュートを決めて2点差に迫ると、直後に篠山のミスを誘った。同じ13点を挙げ、最後まで意地を見せたが、敗戦に「正直悔しい」と振り絞った。

 かつてのNBA戦士で川崎のニック・ファジーカス(32)には、2年前、最後の最後でNBAヒートの開幕ロースターから漏れたウィッティントンが挑んだ。夢が目前で遠のいた日、ヒートのユドニス・ハスレム(37)から「お前なら必ずNBAの夢がかなう」と声をかけられた。ドラフト外からはい上がり、NBA3度優勝を手にした、同じポジションの英雄の言葉を支えに16点を決め、接戦を演出した。

 4勝2敗で東地区3位をキープし、次節は21、22日に新潟と2連戦、25日に千葉と3試合連続アウェーが続く。「実は、アウェーで満員の観客を黙らせるのが一番好きなんだ」。ウィッティントンが、ニヤリと笑った。【中島洋尚】