GP初参戦の坂本花織(17=シスメックス)が自己ベストの68・88点で4位につけた。3つのジャンプを得点が1・1倍になる後半に組み込んだ攻めの構成。すべてを完璧に決めて滑りきると、思わず右拳をふった。「わき出た。ガッツがわき出た」と会心の演技をうれしそうに振り返った。

 ミスのない演技は“特製CD”から生まれた。SP曲「月光」の、後半部分だけのCDを制作。9月半ばのUSインターナショナルクラシックで転倒した悔しさから、帰国後、練習の中で何度も繰り返しかけて、ジャンプを確認した。「悔しくて、結構やりました。練習したかいがあった」と充実の表情をみせた。

 2週間前の近畿選手権では非公式ながら、200点超えを果たし、「オリンピックのオ・リまで見えてきた」と生き生きと語っていた。シニア1年目にして、堂々のGPデビューを果たし、「シニア」のどこまで見えたかの問いには「まだ(シニアの)シの二画目ぐらい」とおどけた。