男子シングルス決勝で、真田卓(32=凸版印刷)が藤本佳伸(41)を6-3、6-2で下して3連覇を飾った。真田のサービスで試合は始まったが、いきなりダブルフォールト。このゲームのファーストはすべてフォールトで、試合を通じてもサービスが不調だった。

 「予選と準決勝はサーブは好調でした。決勝ということで固くなった」。それでも鮮やかなリターンエースなどで試合を支配。藤本もパワフルなサービスにも正確なショットで対応した。

 11月に車いすを新調した。「バイクにまたがるような姿勢で、太ももの内側の筋肉を使って車いすを操作できるニーグリップユニットを装着しました」。車いすのシートでワイドスタンスを取り、太もも外側、内側の両方の力を使えるのが大きなメリットになっているという。

 契約するブリヂストンは、真田が希望するバランス、重さなどのデータを分析したオリジナルラケットを開発した。テスト後に臨んだ11月のチェコオープンでは優勝している。

 慣れ親しんだ用具を変更することはリスクを伴う。「現在の世界ランキングは9位。8位以上が出場できるグランドスラムや世界マスターズなど上を狙うには、今までとは違うチャレンジが必要」という覚悟の表れでもある。「来季はトップ選手との対戦経験をさらに増やし、グランドスラム出場を実現させたい」と意欲的だった。