2019年ワールドカップ(W杯)日本大会組織委員会が昨年承認した暫定の予算案では465億円の予算総額のうち、チケット売り上げで約半分の230億円を見込む。

 だが、過去の開催国に比べ、日本での競技人気は高くない。「求めやすい価格」(組織委)にしたというチケットの売れ行きは大会の盛り上がりだけでなく、運営面にも影響を与えそうだ。

 今回販売手続きが始まったセット券は複数の試合をまとめ買いできるタイプ。まずは「地元で行われる試合は全部見たい」「好きなチームをできるだけ応援したい」といった強いニーズを捕まえたい狙いがある。それ以外の通常チケットの価格帯は1000円~10万円に設定。16年リオデジャネイロ五輪、サッカーの18年W杯ロシア大会と比較して価格が低く抑えられており、組織委は「世界3大スポーツイベントで最も開かれた大会」と訴える。

 競技発祥地イングランドで行われた15年大会は過去最高の約247万枚のチケットを販売し、2億5000万ポンド(当時のレートで約465億円)の収入を得た。アジアで初開催の19年大会は大きなスタジアムが少ないことから販売枚数が180万枚となり、国内のファン拡大に配慮して価格も抑えた。組織委の嶋津昭事務総長は「チケット収入は貴重な財源。全試合を満員にすることが最大の目標」と話している。