2018年の開幕戦オーストラリアGPでトロロッソ・ホンダ勢はブレンドン・ハートリーが15位完走とピエール・ガスリーがリタイアという結果に終わった。

 ガスリーはMGU-Hにトラブルが発生し13周でリタイア。ターン12の出口で突然パワーユニットの電源が落ち、再びオンになったもののオフになる状態が続いたためピットに戻ってリタイアした。「テストでは全くトラブルが出なかったのにここで出たのはとても残念だよ。だけどトラブルが出るまではクルマは良かったし、クルマのポテンシャルとしてはフォースインディアやウイリアムズと戦えることが分かった。それはポジティブだし次戦バーレーンには前向きな気持ちで臨めるよ」

 ハートリーはスタート直後のターン1で大きくブレーキをロックさせてフラットスポットを作ってしまい、タイヤ交換を余儀なくされた。しかしここからソフトタイヤで最後まで走り切る戦略に切り替え、これが上手く行けばポジションアップも見込まれたが、左リアタイヤのパンクに見舞われて再度ピットストップを強いられ浮上のチャンスを失った。「ソフトで走り切れればチャンスは合ったと思うんだ。そのために大幅にタイヤをいたわりながら走っていたしね。だけどパンクでゲームオーバーだ」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはMGU-Hのトラブルについて次のように説明した。「MGU-Hに異常が発生されたので、ピットに戻しました。全く予兆はありませんでした。テストで性能と信頼性を見極めてきたのと基本的に同じ仕様のものを持ち込んでいますから、想定外です。まだマシンを開けていませんから詳細はまだ分かりませんが、ハードウェアに異常がでいていることは分かっていますから、これからHRD Sakuraに送って(トラブルが起きた)モノを見て解析しデータも細かくチェックして、そこから次の対策も含めて考えていきたいと思います。次戦で使用できるのか新しいものを投入しなければならないかもこれから決めていきます」

 チーム全体としてパフォーマンスも信頼性も期待通りの結果を示すことができなかったと田辺テクニカルディレクターは認める。「パフォーマンス的にもマシンパッケージとして期待値を下回ってしまった部分がありますし、開幕戦に向けて信頼性を上げてパフォーマンスもできる限り上げて開幕に臨み、まずは2台揃って完走というのを目標にしてきましたから、正直言って非常に残念な結果です。結果が全てですから全部見直して早急に原因を突き詰めたいと思います」

 次戦は4月6日〜8日に行なわれるバーレーンGP。原因究明と対策に与えられた時間的猶予は決して大きくはない。(米家峰起通信員)