新潟アルビレックスBBは名古屋ダイヤモンドドルフィンズに82-74で逆転負けした。立ち上がりは攻撃的な姿勢を見せて、第1クオーター(Q)の10分間で25-11の大量リード。PG五十嵐圭(37)は第1Qだけで4本の3点シュートを決めてチームに勢いをつけた。44-28で折り返した後半にゲームを引っ繰り返された。狙っていた同一カード連勝を逃した。

 失速した。新潟の前半の勢いは、あっという間に消し飛んだ。第2Qまでにため込んだ16点差の貯金を、終了のブザーが鳴るまでに吐き出し、逆に8点差をつけられる逆転負けを食らった。庄司和広監督(43)は「前半のリードを生かすことができなかった」と嘆いた。

 油断ではなかった。しかし我慢の時間帯に粘れなかった。第3Qはシュートを外し続けた。SG城宝匡史(35)のフリースローで4点目が入るまで開始から6分17秒を費やした。攻撃が決まらずリズムを崩し、守備にも伝染した。第1Qに14得点して、立ち上がりに勢いを呼び込んだPG五十嵐は「(第3Qは)受け身になった。ディフェンスの強度が落ちた」と言った。

 第3Qに限れば、リバウンド獲得数も5本対13本だった。2本のオフェンスリバウンドを奪われたが、すべてが失点につながった。PG五十嵐は「出足が良かっただけにもったいない。勝ちゲームだと思った」と言った。「大量得点しているときの第3Qは大事」とベテランはハーフタイム時にメンバーに言い聞かせたものの、連勝には結びつかなかった。

 前日7日に4位に浮上した新潟は再び5位に沈んだ。まだチャンピオンシップ進出の可能性を残しながらも、B1残留プレーオフに回る可能性も消えていない。PG五十嵐は「前半は積極的にリングにアタックできた。それをやり続けなければならない」と自戒を込めた。リーグは残り9試合。チームとって正念場が続く。【涌井幹雄】