新潟アルビレックスBBは琉球ゴールデンキングスに68-85で負けた。相手の西地区優勝をホームで許した。第1クオーター(Q)の16-13のリードを守れず、17点差で完敗した。PFラモント・ハミルトン(34)は昨季まで所属していた古巣を相手に21得点して奮闘。Bリーグ通算1000得点(1009点)達成も、勝利に直結しなかった。

 これまでならチームが失速する終盤にハミルトンが爆発した。第4Qの10分間で13得点と孤軍奮闘した。3点シュートを2本決めると、右拳で自分の胸をたたき、チームメートを鼓舞した。「みんなの何とかしたい、という思いが伝わった。自分もプレーに気持ちを込めた」。16-13で迎えた第2Qに逆転され、点差をジワジワと引き離されたが、最終Qだけは2点のビハインドだけにとどめた。

 古巣琉球の陣容は昨季と今季で大きく変わった。それでもPG岸本隆一(27)らハミルトンの友人は多い。「古巣ということは特に意識しない」と言いながら気合の入り方も段違い。ダンクシュートを決めると、ほえた。「それは一生懸命やった姿。大切な試合だから勝ちたかった」。チャンピオンシップ進出へ望みをつなぐ大事なゲームの対戦相手が琉球。奮起の材料は多かった。

 試合後、コートでは琉球の地区優勝セレモニーが行われた。新潟のメンバーはロッカールームに引き揚げ、誰もそのシーンは見ていなかった。庄司和広監督(43)は「下を向く時ではない。その暇もない。顔を上げて勝ち続けるだけ」と言う。Bリーグ通算1000得点を達成したハミルトンも「落ち込まずに気持ちを切り替える。残り7試合。全部勝ちにいく」と古巣に負けてもまだ闘志を失っていなかった。【涌井幹雄】