女子の日本が47年ぶりの世界一を逃した。決勝で最強、中国と対戦し、1-3で敗北。世界ランク7位伊藤美誠(17=スターツ)、同3位石川佳純(25=全農)、同6位平野美宇(18=日本生命)の3人娘は奮闘したが大金星はならなかった。

 1番手の伊藤が、同10位の劉詩〓に1-2とリードを許したが、フルゲームの末、3-2と逆転勝ちして、先勝した。2番手の平野は、同11位でリオ五輪金メダルの丁寧に0-3で敗れて1-1のタイに。3番手の石川は同2位の朱雨玲に0-3と連敗。1-2と追い込まれた日本は2番手の平野が再登場。劉に0-3とストレート負けし、1-3で中国に敗れた。日本は3大会連続の銀メダルに輝いた。

 卓球王国に敗れ、47年ぶりの金メダルこそ逃したが、価値ある銀メダルだ。この日はストレート負けしたものの、主将を務めた石川の存在感は光った。経験豊富なキャリアをいかし、10代の選手をリード。3大会連続の銀メダルに導いた。

 石川がチームの主将を馬場監督から伝えられたのは2月のチームW杯。ただ、その時は心に不安を抱えていた。若手の台頭は伊藤、平野だけじゃない。今回控えに回っている早田や長崎もおり、日に日に勢いを増している。2年後に迫ってきた20年東京五輪出場に向けた選考基準が気がかりだったが、3月中旬に日本連盟が過去の大会のように代表3人のうち2人は20年1月の世界ランキング上位者から選出する方針を決めた。「すっきりした」と自分が強くなることに集中できる環境が整った。

 練習も変わった。毎日7時間の打ち込み、苦手のカットマン対策にも取り組んだ。高速卓球を求め、フィジカルもさらに強化した。4日の南北合同チーム「コリア」戦では、カットマンでリオ五輪で敗れたキム・ソンイ(北朝鮮)と対戦し3-2で下し、成果を見せた。

 3大会連続の銀メダル。主将が背中で引っ張った成果でもあった。石川は「内容は最悪、チームに貢献できず、申し訳ない」と涙を流したが、主将としてチームを率いたことに「成長できた」と話した。

 

 ★伊藤の話 (劉に)勝ったことは自信になった。苦しい練習をしてきて良かった。

 ★平野の話 負けて残念。結局自分のミスで申し訳ない。悔しい。

※雨カンムリに文の旧字体