世界24位の錦織圭(28=日清食品)がタフな1回戦を勝ち上がった。過去3勝3敗と五分の星。決して気が抜けない同30位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)に接戦ながらも7-6、6-4のストレート勝ちだ。

 右手首のけがで世界ランキングを落としたため、今年復帰後、ノーシードでの出場が多くなった。4月の準優勝したモンテカルロマスターズもノーシードで、先週のマドリード、今週のイタリア国際もノーシードだ。

 モンテカルロの1回戦は元トップ10で18位のベルディハ(チェコ)。マドリードの1回戦は元王者のジョコビッチ(セルビア)。ともに、通常なら準々決勝以降に実現しそうな組み合わせだ。「厳しい。2回戦までで、必ずシードと対戦する可能性が高い。ただ、(シードがついても)優勝のためには、どこかで(シードに)勝っていかないとだめ。(ノーシードの)そこからはい上がっていくしかない」。

 その意味では、マスターズ大会の方が4大大会より厳しいかもしれない。4大大会は出場選手128人。マスターズ大会は最大64人。ともに、トップ選手がほぼ出場することを考えれば、少ない出場人数の方が、早い回戦からタフな組み合わせになる。

 「ただ、モンテカルロの決勝は大きかった。自信も戻ってきて、ラケットを振り切れるようになった。自分でも驚いている」

 この日の試合も、絶好調と言うわけではないが、平均以上の戦い。このレベルを普通に持続できれば、「なるべく早くトップ10に戻れれば」という思いがかなう日も、そう遠くはない。

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