世界ランク11位の日本代表が同14位のイタリアに競り負け、史上初の「ティア1」からの連勝を逃した。9日の第1戦(大分銀行ドーム)は34-17で勝利していたが、歓喜の再現はならなかった。

 前半から主導権を握ったのはイタリアだった。日本は前半4分、ロックのアニセ・サムエラ(31=キヤノン)が危険なプレーでシンビン(10分間の一時退場)。数的不利となりながらもSH田中史朗(33=パナソニック)がゴール前での相手キックに反応し、トライを防ぐなど好プレーを見せていた。

 だが、再び15人対15人となっていた同19分、日本のキックからカウンターを受けて中央突破を許す。最後は右サイドを駆け抜けたイタリアWTBベンベヌーティに先制トライを献上した。同26分には左ラインアウトからモールを押し込まれ、2本目のトライで0-12。日本は同34分、この試合で50キャップとなったSO田村優(29=キヤノン)がPGを決めたが、3-12とビハインドで前半を折り返した。

 日本は後半からNO8アマナキ・レレイ・マフィ(28)とSH流大(ゆたか、25=サントリー)を投入。だが、後半4分に甘いタックルで突破を許し、フランカーのポッレードリにトライを献上した。

 3-19と16点を追う立場となった日本は同20分、右ラインアウトからのモールを起点に、CTBウィリアム・トゥポウ(27=コカ・コーラ)が反撃のトライ。ゴールも決まり、10-19と9点差に迫った。さらには同25分、ライン攻撃に参加していたマフィがインゴールに飛び込んで15-19。途中出場のSO松田力也(24=パナソニック)が難しい角度からのゴールを決めて、2点差とした。

 だが、最後はイタリアに2本のPGを決められ、同40分にFB松島幸太朗(25=サントリー)のトライで追い上げるも、逆転には至らず。それでも2万276人の大観衆からは、ねぎらいの拍手が送られた。

 日本はジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、48)が「ターンオーバーからしっかりとトライまで持っていきたい。負けられない試合だし、勝ちにいく」と語るなど、世界トップ10に位置づけられる「ティア1」(イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランス、イタリア、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)からの史上初の連勝を狙っていた。

 流は「チームを勝たせることができず、責任を感じています。(イタリアは)コンタクトが激しく、勢いがあった。前半のスタートで勢いをつけられ、シンビンになって攻撃の機会を得られなかった」と悔やんだ。23日にはジョージア戦が控える。松島は「ジョージアはフィジカルが強い。受け身でなく、自分たちで仕掛けることが大事」と話していた。