東京五輪新種目スポーツクライミング日本代表の野中生萌(21=TEAM au)が、サッカーW杯の盛り上がりから「日本中の(応援の)エネルギーがすごい。東京五輪では同じ立場で経験できたらいいな」と刺激を受けた。3日、スイス・ビラールで行われる今季リードのW杯開幕戦、スピードの第4戦への出発前に羽田空港で取材に応じた。

 野中はこの日の早朝に行われた日本-ベルギー戦をテレビで観戦。W杯の注目度の高さから東京五輪を想像し「東京五輪ではこれ以上の期待の中で戦うんだなと思う。勝ち進んでいけば行くほどプレッシャーもかかるけれど、日本中が応援してくれるエネルギーがすごい」と話した。

 今大会では、どこまで高く登れるか持久力を競うリード、壁を駆け上がる速さを競うスピードの2種目とも出場する。日本女子スピードランキング1位、9秒37の自己ベストをもつ野中は「スピードの決勝に行きたい」と日本人で誰も経験したことのない舞台を目標に掲げた。

 今季からW杯に参戦している伊藤ふたば(16=TEAM au)も同便で出発。伊藤にとってリードW杯の初戦となり「今の自分がどのくらいの位置にいるのか確かめたい」と笑顔で話した。

 今大会では、6日にリードの予選が行われた後にスピードの予選と決勝、7日にリードの準決勝、決勝が行われる。3種目の複合で行われる東京五輪の決勝では、1日にスピード、ボルダリング、リードの順番で3種目をこなす。藤井快(25=TEAM au)は競技順の違いを口にし、「リードで疲れ切ったなかでスピードをやることはなかなかない。今回はその疲れの中でスピードがどこまでできるかを経験したい」と意気込んだ。