北海道道内で活動する4大スポーツチームが集結し、被災した児童に元気を届けた。プロ野球日本ハム、サッカーJ1北海道コンサドーレ札幌、バスケットボールBリーグのレバンガ北海道、フットサルFリーグのエスポラーダ北海道の選手・マスコットが13日、北海道胆振東部地震で被害を受けた札幌市清田区の小学校を訪問した。13年から始まった「プロスポネットSAPPORO」の取り組みの一環だが、4チームが一堂に会するのは初めて。12日まで避難所になっていた体育館に、子どもたちの笑顔が広がった。

あこがれのスポーツ選手がサプライズで登場すると、児童の割れんばかりの歓声が体育館に響き渡った。普段は別々の舞台で活躍する各競技の選手がキャッチボールやフリースロー、リフティングを披露。約1時間の交流では、終始明るい声が飛び交った。レバンガ北海道の折茂武彦選手兼社長(48)は「元気をプレゼントしようとしたのですが、逆に大歓迎で勇気、元気をもらいました」と話した。

訪問した札幌市内の小学校は、6日未明に起きた北海道胆振東部地震の影響で道路の液状化や断水、停電の被害があったエリアにある。前日12日朝までは体育館が避難所として利用されていた。住宅が被害を受け、現在も震災以前の生活を取り戻せていない児童もいる。同校校長は「家に住めない子たちもいる中で、頑張って学校にきてくれている」と現状を話す。

道外で練習していた日本ハムの選手参加は実現しなかったが、コンサドーレ札幌、レバンガ北海道、エスポラーダ北海道の選手とマスコットが集まった。4チームは、「スポーツの力でまちを元気に」を掲げ、13年に「プロスポネットSAPPORO」を立ち上げたが、全チームが集結するのは今回が初めて。札幌市出身のエスポラーダ北海道、水上玄太(35)は「今回だけでなく、こういうイベントをもっと増やしていって、スポーツで北海道全体を盛り上げていきたい」と復興への思いを語った。

全校児童643人を代表してあいさつした児童会長の鷲田力紀(りき)君(6年)は「普段テレビでしか見ていない選手を実際に(目の前で)見られてうれしい。元気をもらいました」と目を輝かせた。各チームは募金活動など、復興への手助けを模索している。折茂は言う。「まだ余震は続いていて、不安な日々を過ごしている人もいる。スポーツの力で元気を届けたい」。児童の明るい笑顔を胸に、今度はプレーでも元気を届けていく。【浅水友輝】