日本大学が29日までに公式サイトで、アメリカンフットボール部が、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題について、学生の保護者に対する謝罪文を掲載し、「本学の全役員・全教職員は改めて『学生と向き合う』意識を徹底いたします」と決意表明した。

日大は公式サイトに、経営トップの田中英寿理事長と大塚吉兵衛学長名で「保護者の皆さまへ『お詫びと今後の日本大学の改革に向けて』」と題した文書をアップした。その中で「日本大学アメリカンフットボール部の一連の問題についてのお詫びと今後の日本大学の改革に向けて」として「本学は、本件に関して第三者委員会を設置の上、事案の真相及び原因の究明を行いました。同委員会から最終報告書により、アメリカンフットボール部選手による危険な反則行為は本学職員の指示によるものであったとの事実認定に加え、『学生ファーストの精神が見失われていた』との指摘を受けております。この指摘のとおり、ハラスメント行為を放置し、事後の対応においても学生を第一に考えた行動が取れなかったことは、教育機関としてあってはならないことであり、責任者として改めて謝罪申し上げます」と一連の問題について謝罪した。

その上で「保護者の皆様からの信頼を回復するため、まずはアメリカンフットボール部が所属する保健体育審議会について、組織改変をはじめとする様々な改革を進めており、二度とこのような問題を起こさないようにいたします」と問題の再発防止を約束した。

 

さらに「本学では、育成する人間像の具体的指標である『日本大学教育憲章』を制定しており、加えて平成29年度から『学生と向き合う』を合言葉に、教職員の意識改革を進めるとともに、学生の主体性を育む授業手法であるアクティブラーニングへの転換を図り、同憲章内に定めた『日本大学マインド』を醸成するための教育改革に取り組み始めたところでした」と、大学として教育改革に着手していたと説明。

その過程で、問題が発生したことについて「各学部等においても、全学的な方針を踏まえながら学部の専門性を生かした特色ある教育の実現に向けて、教職員が教育現場において努力をしていたにもかかわらず、今回の事態を招いたことを深く反省しております」と謝罪した。

そして「本学の全役員・全教職員は改めて『学生と向き合う』意識を徹底いたします。更に、学生ファーストの視点から学生の皆様が安心して過ごせる就学環境を整備し、何よりも学生一人ひとりを育む姿勢と情熱を持って、従前以上の教育内容と満足のいく進路が実現できるよう最大限の努力をしてまいります」と学生ファーストの姿勢で大学を改革していく考えを示した。

そして「今後の改革状況につきましては、ホームページ等を通じて引き続きお知らせしてまいります」(コメントは原文のまま)と、改革の動きについて情報を開示していく方針も明らかにした。