プロで日本初の世界主要4団体制覇を果たし、アマチュアとして東京五輪出場を目指す高山勝成(35=名古屋産大)が、アマチュア登録申請を行う準備が整い「やっと1アマ選手としてのスタートラインに立てた。ここからが勝負です」と笑顔で期待を膨らませた。

9日、高山は都内で日本ボクシング連盟のアマチュア登録審査会に出席。アマチュアのルールを理解しているかどうかの聞き取りとペーパーテストが行われ、合格した。

今後は、練習拠点を置く愛知県連盟へアマチュア登録申請を行い、日本連盟の手続きが完了すれば正式にアマチュア選手となる。

「愛知の方には、明日、明後日には直接申請に行きます。自分がアマチュアとしてオリンピックに出場したいと思ってから1年半かかった。たくさんの署名や気持ちのこもった支援にまず感謝したい」と穏やかな表情で素直な喜びを口にした。

日本連盟の菊池浩吉副会長は「(アマチュアのルールの理解も)十分でした」と太鼓判を押した。

国際ボクシング協会(AIBA)は2016年リオデジャネイロ五輪からプロ選手の出場を解禁したが、日本連盟はプロ経験者の試合出場を認めてこなかった。高山は今年8月、日本連盟への競技者登録を求め、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に仲裁申し立ての手続きをした。高山の代理人を務める岡筋泰之弁護士は、「アマ選手としての登録が認められれば(申し立てを)取り下げます」との方針も示した。

プロの現役選手が、アマチュアに戻った例は過去になく、アマチュア登録審査会が行われたのも初めて。日本連盟の菊池副会長は「今回は日本スポーツ仲裁機構も絡んでいた話なので、特例として個別に対応したものです」とした。

日本連盟は、プロ経験者のアマ登録に強硬に反対していた山根明前会長が助成金流用などの不正問題で8月に辞任し、9月8日に新体制が発足した。