平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銀メダリストの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)はフリーで183.43点で、SPと合わせて275.10点で初優勝を逃した。前日のショートプログラム(SP)は、昨年優勝のネーサン・チェン(19=米国)に1.32点差の91.67点の2位。フリーで逆転を狙ったが、2年連続の2位にとどまった。282.42点のチェンが連覇。

冒頭の4回転サルコーは両足で着氷。終盤の3連続の最後のジャンプでバランスを崩し、片手をつく。演技後は少し笑顔も、不満足な表情をみせた。「決していい演技ではなかった。試合が終わる度に同じような感想を言っているけど、今回こそはと挑んだけれどうまくいかなかった。(4回転)サルコーを失敗してから気持ちを切らさずにフリップ、トーループと跳べたのはよかったけれど、最後できればコンビネーションをきれいにおりたかった」と話した。

悔しさを晴らしたかった。昨年12月のGPファイナル(名古屋)。優勝したチェン(米国)にわずか0・50点及ばず、頂点を逃した。286・01点を記録し、チェンは286・51点。SPでは編曲によるタイムオーバーで、1点減点があった。わずかなミスがなければ上回ることができた結果だが、1年が経過した今も「点差が悔しいというよりも、自分のいい演技ができなかったというところに、悔しい思いがある」。1年後のリベンジで、自らの成長を示したかった。

昨季はGPファイナルに続き、4大陸選手権、平昌五輪、世界選手権と全て銀メダル。安定した力を発揮する一方、頂点にあと1歩届かない。優勝を目指す気持ちは常に持ちながらも、その中で宇野のポリシーは変わらなかった。

「ベストな演技をすれば、結果はついてくる。そして、その結果がついてこなかったら、自分の実力不足ということになると思う。まずは自分の実力の最大を、発揮したいと思っています」。全力を尽くしたが、GPファイナル初制覇は持ち越した。