仙台89ERSが69-86で西地区1位の熊本ヴォルターズに連敗し、得失点差で東地区3位に後退した。3点リードの第3Q(クオーター)序盤、連続ターンオーバーで逆転されるなど、連続14失点。今季チームワースト2位の17点差で敗れ、ワイルドカード争いも3位でプレーオフ(PO)圏外に落ちた。

ホームで屈辱的な敗戦を味わった。最後は残り25秒から相手に時間ぎりぎりまでボールを回され、棒立ちのまま時計を回された。第11節のアウェー島根戦に続く今季2度目の連敗。桶谷大ヘッドコーチ(40)は「自分たちで悪循環をつくって負けた。成長が見られない。変えられないのはコーチとして僕の責任」と厳しい表情で振り返った。

前日15日の第1戦のリプレーのようだった。「悪夢の第3Q」は攻撃権を得ながらゴール下でパスミスや24秒ルールを犯し、約7分間も無得点が続いた。相手の倍以上の19ターンオーバーで計21失点。ファウルも重なり、フリースローだけで24点を献上した。月野雅人主将(30)は「自分たちのミスでやられてしまった。プレーオフに向けてこれ以上負けられない」と危機感を口にした。

今季レギュラーシーズンで熊本との対戦はない。だがPOに進出すれば、対戦する可能性が高い相手だ。それぞれが東日本大震災、熊本地震と地元被災地の思いを背負う。敗れはしたが、熊本出身の沢辺圭太(23)が両チーム日本人最多の計23得点と気を吐いた。沢辺は「チームが勝たないと意味がない。夢と元気を与えられる職業なので、僕が活躍すれば熊本で応援してくれる方々にも喜んでもらえる」と、PO進出と熊本との再戦を切望した。【佐々木雄高】