バスケットボール男子は21日に正念場の1戦を迎える。W杯アジア2次予選でF組3位の日本は、19年W杯(8月開幕、中国)出場をかけ、同組2位のイランと対戦する。日本が勝てば、W杯出場に大きく前進し、他国の状況によっては22日未明にもW杯出場が決定する可能性がある。自力では21年ぶりとなる国際舞台への切符をつかめるか。日本時間午後11時30分開始。

21日のイラン、24日のカタールとの2連戦は、NBAグリズリーズとツーウェー契約を結ぶ渡辺雄太(24)と米ゴンザガ大の八村塁(21)はともに米国のシーズン中のため不在。18年9月、ホームでの対戦では70-56で日本が勝利したものの渡辺、八村がチームを引っ張った上での勝利。2人が不在の中で、Bリーグ、国内組の奮闘が勝利への鍵となる。イラン戦で注目したいのはこの3人だ。

1人目は、167センチのPG富樫勇樹(25=千葉ジェッツ)。スピード感あふれる速攻はコート内で大きな存在感を放つ。千葉ジェッツが3連覇を達成した1月の全日本選手権(天皇杯)では、決勝の残り2・6秒で逆転3点シュートを決めるなど「持ってる男」。今季Bリーグでも1試合平均14・2点をマークし得点力も魅力である。

2人目は、日本屈指の3点シューターSG辻直人(29=川崎ブレイブサンダーズ)。昨季はリーグトップの3点シュート145本を沈めた。18年2月の同予選台湾戦では1試合に7本の3点シュートを決めるも、日本は1点差で勝利に届かず。ジャカルタ・アジア大会では主将を務め、不祥事が起きた後もチームを背中で懸命に引っ張った。渡辺、八村がそろった同年9月のイラン戦では出場時間0分、12月のカザフスタン戦、カタール戦はけがで代表から外れるなど悔しい思いが続く中で、どれだけ思いをぶつけられるかに注目。

3人目は、18年4月に日本国籍を取得したファジーカス・ニック(33=川崎ブレイブサンダース)。16-17年シーズンBリーグMVPにも選ばれた身長210センチのセンター。ファジーカスが日本代表に入ることで、長年の課題となっていた「高さとリバウンド」が大きく改善。18年6月には強豪オーストラリアを破る原動力にもなった。同年12月のカザフスタン戦では41点得点、15リバウンドと大爆発。ボールを預ければ得点してくれる頼もしい存在だ。【戸田月菜】

◆日本がイラン戦でW杯出場を決めるには 21日のイラン戦で勝つ。その上で、<1>F組4位のフィリピンがカタールに敗れる。<2>フィリピンが勝っても、E組5位のヨルダンが中国戦に敗れた場合は、出場決定。

イランに勝てなかった場合、W杯出場は24日のカタール戦に持ち越しとなる。

◆W杯とは もとは世界選手権で、14年大会から名称を変更。アジアからは7チーム、全世界で32チームが出場する。自力出場での20年東京五輪の予選も兼ねる。