男子20キロ競歩で世界ランキング1位の池田向希(20=東洋大)が、1秒を削り出す歩きで挑む。

全日本競歩能美大会を翌日に控えた16日、石川・小松市内で会見。今大会と同じく、世界選手権(9月開幕・ドーハ)の代表選考を兼ねていた2月の日本選手権では高橋英輝(富士通)に1秒差に及ばずに2位で、世界選手権の内定を逃した。

「時間がたつと悔しさがより一層出てきた。その1秒を削り出せ。1秒差で負けた悔しさをものにしないといけない」。東洋大の長距離部門の有名なスローガンに触れ、リベンジを誓った。日本選手権後は疲労を抜きことに重点を置き、日本選手権と変わらない調子に仕上げてきた。

国際陸連が導入した世界ランキングは1位だ。追われる立場。「光栄なこと」と言う。ただ、本当の実力が反映されている数字とは思っていない。「プレッシャーは感じていないです。(実力的には)世界ランク1位とは思っていない」。まだ東洋大の2年。層が厚い日本競歩界の中で、挑戦者の気持ちは変わらない。

世界選手権は日本人最上位の表彰台で20年東京オリンピック(五輪)の代表権も獲得できる。「目標である2020年東京オリンピックへの一番の近道は世界選手権。世界選手権に出ないことには(東京五輪の)代表権を1つ失うと考えている。まずは世界選手権にベストコンディションで立ちたい」。1秒の悔しさを胸に、ドーハの切符をつかむ。