日本女子の世界記録はフォーエバー!? スピードスケートの団体追い抜きで、来季から選手にヘルメット、膝当て、ネックプロテクターなどを着用させる見通しであることが26日、分かった。国際スケート連盟(ISU)によるルール変更で、18年平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)の新種目マススタートとほぼ同じ形で競技を行う。安全面に考慮した形だが、関係者は「グッと外的要因が変わるので、今までの記録に追いつくのは難しいんじゃないですか。(外見から)どうみても変わる」とした。

団体追い抜きは1チーム3人で2400メートルを滑って競う。高木美、高木菜、佐藤で臨んだ日本女子は17年12月のワールドカップで世界記録の2分50秒87を樹立している。18年2月の平昌五輪でも同じ3人で五輪記録2分53秒89を出して金メダルも獲得した。風洞実験を繰り返し「ワンライン」を合言葉に選手間の距離も計算しつくされている。日本の持ち味は、一糸乱れぬ動きで隊列を組み、先頭を効率的に交代。まるで3つ子のような動きで、空気抵抗を極限まで抑えること。今年2月の世界距離別選手権でもオランダを下して、世界一に輝いている。

それだけにヘルメットなどを装着することは、大きな変化となることは間違いない。新しいルールになるため、記録の扱いが変わることも考えられる。いずれにせよ、日本が刻んだ世界記録2分50秒87が、チームパシュート不滅の記録になってもおかしくはない。

◆スピードスケートの団体追い抜き 1チーム3人が縦に並び、空気抵抗が大きい先頭を入れ替わりながら滑る。2チームがリンクの対角から互いを追うように同時にスタートし、男子は8周、女子は6周する。チーム最後尾の選手がゴールしたタイムで競うため、3人そろってスピードを保つ必要がある。06年トリノ五輪から採用され、日本は10年バンクーバー五輪で女子が銀メダル。連係や戦術でタイムを縮められる妙があり、日本の美しい隊列は世界のお手本となっている。